ビル清掃の意義

人間の生活において、基本的な条件は衣・食・住ですが、この衣食住が健康的に、衛生的に、快適に保持され、人間が生き生きした状態で活動できる状態をつくり出すことが環境衛生です。
この環境衛生こそが、一番最初に目指す、清掃の目的といえます。

環境衛生を考える事が公衆衛生であり、プロとしての清掃は、社会公衆のために衛生的かつ快適な環境を提供するように管理運営されなければならないのです。

ビル清掃は、建築物の内外に存在する環境上の異物を排除する事によって建築物内外の清潔を維持する事にありますが、一般的な異物として『ごみ』『ほこり』『よごれ』などと呼ばれるものが、除去対象物となっています。
これらの異物はいずれも建築物の美観を害し、建材等に悪影響を及ぼし、建築物の利用者に不潔感や不快感を与えるばかりでなく、衛生上の害をもたらすものなのです。

ビル清掃の3つの目的

①良好な衛生環境の確保
汚染物質の除去により、病原性微生物の発生を抑え、特に病院内感染などで問題となっているMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)などを除去することによって、人間に『生理的安らぎ』を与えます。

②建築物の延命
クリーニングされない金属はいずれ腐食を生じ、その機能を失い、床は土砂に良摩耗し、長年のうちに損傷物と化します。清掃の目的は、汚染物質の除去という行為を通じて建築物の延命を図ることです。内外装材も一つに生き物であり、清掃する事によって生かされます。これは人間に『物的安らぎ』を与えます。

③美観の向上
衛生的環境は、目視では判断しにくい微細な領域を指しているが、ここでは、目視で判断できる領域の事です。弾性系床材に床維持剤を塗布するのは、衛生的確保よりも、美観の向上が主な目的です。見た目に美しく清潔である事は、利用客に『心理的安らぎ』を与えます。

ビル清掃は、単に清潔感の追及のために行うという業務だけではなく、室内環境における汚染物質の除去作業を通じて、衛生性や医学性を確保する行為であるから、直接的に環境衛生の維持改善を図る業務であるという事が言えます。

以上の事から、清掃という業務は、素晴らしい使命を持った誇るべき業務といえるのではないでしょうか。